ボードレールの有名な詩「悪の華」をモチーフに揺れる思春期の少年少女を描いた作品。作品中に出てくる様々なモチーフ、シュチレーションがもう僕好み満載で楽しめた。
タイトルがいきないルドンの有名な目玉の絵画(バックベアードではありません)が出てきて、オオッと息を呑んだし、劇中、主人公が「オレは澁澤龍彦、ブルトン、バタイユを読み…」と言うセリフにはたまげた。オレの事じゃんと苦笑と同時に「そうだよな」と主人公に共感。と、もう全体を覆う世界感は見事にマッチ!なんだけど、映画はなんか後半、回想がむやみに挿入されるタイミングにゲンナリするテンポの悪さ、それによって二人の祭りのシーンの行動に結びつくヒートアップさが薄れてしまい残念であった。
努力賞的な作品だった。